レアリティある万物全てを救済への階段から突き落とせ

現役デュエマプレイヤーにとっては当然のことだといわれるであろうデッキ構築におけるカード選択についてを今のデュエマを知らない人向けに書いていこうと思う。

 

ケース① 2マナブースト

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王道といえばこの2枚

まずデッキに2マナブーストを入れようとなった時に選択肢に挙がるのはこの2枚だろう。もちろんこれらにはどちらが正解かというものはない。相手が殴るデッキであれば《フェアリー・ライフ》がトリガーして間に合うということが何回かゲームしていれば発生するだろう。一方《霞み妖精ジャスミン》は後半に引いた際に打点としてとりあえず場に出すという選択肢も生まれる。《鼓動する石板》も《ジョラゴン・オーバーロード》もどれも強みは存在するので環境やデッキに合わせて選択していこう。(《時空の庭園》、君も強みはあるぞ!)

 

ケース② 同じ能力...?

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能力は一緒だが...

次のケースはこの2枚だ。能力もパワーも一緒なので好きな方を使えばいいのだが2枚以上入れる際には(《卍 デ・スザーク 卍》デッキを使わないのであれば)できるだけ散らすべきだ。その理由こそが《天使と悪魔の墳墓》である。

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 対戦相手がこの《天使と悪魔の墳墓》を使ってきた際に何も対策していなければランデスの被害を受けてしまうかもしれない。そのため、2枚の枠に同じ能力のカードを入れる際に名前を散らす通称「墳墓避け」を行うことが重要だ。これはデッキ構築段階で可能な対策になっている。つまり、対戦前から勝負が始まっているのだ。

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【ヒラメキウォズレック】でも墳墓避けのためにこれらのカードが散らされて採用されていた。この中で《ロジック・キューブ》だけは他のカードとの名称シナジー等は無い。

 

ケース③ 同じ能力ではあるが...

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能力も種族もパワーもコストも同じです

 ではこの2枚を見比べてみよう。ではデッキに採用するときは散らすか?

...それは浅はかだ。この2枚を比べると《爆速ダビッドアネキ》の方が明確に上位互換と言える。その理由こそが《スーパーしりとりガー》だ。

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誰もこんなカード使わねーよ!!!!

 だが、使われる可能性は確かに存在するのだ。(実際に《ガヨウ神》が殿堂入りした際の【ジョラゴンジョーカーズ】のリペアとしてこいつが候補に挙がっていた...らしい)このカードの存在から名前の最後が「ん」、「ン」のクリーチャーは一定のリスクが生じるのだ。(10年に1回ぐらいだろこれ)

 

実用性を重視するなら選択肢から外れるカードが存在してしまう。次のケースこそが非デュエマプレイヤーが最も理解不能な上位互換の話であろう。

 

ケース④ 同じカード

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左が初版、右が5年後の再録版だ。

「同じカードじゃねぇか!!!」と怒る方もいるかもしれない。その通りだ。この2枚は同じカードだし同一デッキには合わせて4枚しか投入できない。

だが、しかし。紛れもなく左の《偽りの王モーツァルト》こそが上位互換なのだ。

ちなみにデュエルマスターズのルールには

「同じ名前のカードは再録された際に印刷されたテキストの能力を使用する」というものがある。つまりルール上は能力も全く同じだ。

 

...馬鹿にしているだなんてとんでもない。このカードを見てもらえばきっと納得すると思うんだ。

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レアリティ・レジスタンス 水文明 (4)
呪文
バトルゾーンとマナゾーンにあるベリーレアとスーパーレアのカードをすべて、持ち主の手札に戻す。

 《レアリティ・レジスタンス》はデュエルマスターズのジョークエキスパンション(銀枠とかではないから実際に使えるぞ)、「超ブラックボックスパック」出身のカードだ。当時から珍妙な能力とルールがややこしいという理由からCS等で禁止されていることが多かった。

だが2016年5月に裁定が変更され、「VR、SRは実際に使用されているカードを参照する」という裁定が出された。これにより、CS等でも使用することができるようになったのだ。

本格的にこのカードが使われ始めたのはなんと2019年。

【アナカラーデッドダムド】VS【シータミッツァイル】の環境に突如このカードは殴り込みをかけた。

例えばこんなゲーム展開を想像していただきたい。

【シータミッツァイル】(以下A)1ターン目、《スゴ腕プロジューサー/りんご娘は三人っ娘》をチャージして終了

【アナカラーデッドダムド】(以下B)1ターン目、《SSS級天災デッドダムド》をチャージしてターン終了

A、《DROROOON・バックラスター》をチャージして《フェアリー・ライフ》、《知識と流転と時空の決断》がマナゾーンに。

B、《虹速ザヴェルデ》をチャージして《フェアリー・ライフ》、《復讐ブラックサイコ》がマナゾーンに。

A、《♪奏でよグローリー》をチャージして《ハリケーン・クロウラー/ブレイン・チャージャー》の呪文面をプレイ。1枚ドローしてマナゾーンに。

B、《フェアリー・ライフ》をチャージして《レアリティ・レジスタンス》をプレイ。Aのマナが1マナに。

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主要カードにVR、SRが多かったんです

このように、【シータミッツァイル】側に対してマナ破壊できるカードとして、また【アナカラーデッドダムド】側は盤面に侵略して出た《復讐ブラックサイコ》などを手札に戻して再利用する手段として使われた。

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マナに落ちた《無修羅デジルムカデ》を拾ったり場の《復讐ブラックサイコ》を手札に戻したり...

しかも《レアリティ・レジスタンス》を使えば《復讐ブラックサイコ》だけが手札に戻るため、《天災デドダム》か《虹速ザ・ヴェルデ》が進化元であればそれらは盤面に残るか墓地に送ることができる(彼らはVRでもSRでもないからね)。これが「進化元の再構成」というルールだ。興味がある方は調べてみてほしい。

 

こうして、《レアリティ・レジスタンス》が環境に登場したがために、「同じカードでもVRかSRのマークがついていると下位互換」という認識が共有された。

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例えば、人気カード《次元龍覇グレンモルト「覇」》は3度目の再録の際にSRになったがために折角の新イラストも虚しくもっとも弱い《次元龍覇グレンモルト「覇」》となってしまった。

 

先述の《偽りの王モーツァルト》も4度の収録を果たしているがSRマークが無いものは初版だけでありバリエーションも意味が無いものとなってしまっている。

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一方、《カラフル・ナスオ》は初登場時はSRであったが再録される際にRへと降格した。しかしこれは純粋に強化であるためプレイヤーからは大いに受け入れられた。光っているカードよりも光っていないカードの方が性能が高いとは皮肉なものである。

 

おまけ 散らす意味

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一見一緒にしか見えないが...

最後に、デッキ無いの版を散らす意味をお伝えしよう。この2枚の《勝熱英雄モモキング》は一見同じに見えるだろう。しかし、よく見るとコレクター番号が違うことがわかる。こういった部分が散っていると気になる、統一したいという人はとても多いことだろう。(事実、私もそうだ。)

しかし、【悠久チェンジ】という盾・手札・デッキ・墓地とすべてのカードを循環させるデッキにおいてはこの「バージョンを散らす」という構築が功をなす場合がある。特定のカードがどの領域にあるかを判別しやすいのだ。これは特殊なケースではあるがそういった選択肢も存在するということもぜひ知っておいていただきたい。

 

デュエルマスターズにはデッキ構築段階で様々なケアが可能であることがわかってもらえたかと思う。もちろん、基本的にそこまで気にすることではないので好きなカード、好きな版を使うのがベストではあるがこういったカード達も存在するということを是非頭の片隅にでも置いておいていただければ幸いだ。

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どちらにも強みがある、そう思えてきただろう?